2018年10月26日金曜日

アルツハイマー病の最新論文と中医漢方的考え②

我々の中医的考えてみれば、アルツハイマー病とは「痴呆」や「健忘」などと呼ばれます。一般的に髄海不足、心神不足など心や腎など精神に関わるところが原因となります。

一般的な中医治療方針として「補う、通す、調える」を行います。

補う:とくに腎補ったり、気血を補うことをします。六味丸や八味丸が使われます。また、クルミやナツメ、ごまや卵、キノコなどが良いと言われます。

通す:血流を通し、溜まった目に見えない痰や血の滞り(オ血)を調えるたりします。処方では二陳湯や抑肝散加陳皮半夏なども使われます。

調える:気持ちを調えることが大事。特にウツ気味の人は気が滞りやすく、痴呆になりやすいと考えます。処方では逍遥散や帰脾湯といったものが使われることが多いです。

この腎や心の問題を解決するのに、重要になるのは脾胃です。食べ物をしっかり消化して、吸収や気に転換などをしやすいようにする機能があります。体では真ん中にあり、車軸の役目を果たすため、体全体に気を運びます。消化吸収が出来れば、気血の生成が可能となり腎や心に栄養が回るため痴呆が起こりにくくなります。脾胃が悪ければ、頭寒足熱の逆が起こるようになります。
さらに年齢により腎の力が低下するので、腎を補うことも必要となります。特に命門の火と呼ばれる「腎陽」は、体の免疫とも関与されるとされています。

中医では、免疫力が下がり発病した時を「自病」とするため、その自病の治療が自然と予防にもつながります。

今回の論文の論旨を読んで頂いた通り、原因に対する治療法の思考は異なります。中医はそもそもの原因である、免疫力を上げるとかストレスとどのように過ごすかについて注目をして治療をします。
結果論的には、ヘルペスウイルスを活性化させない為の方法を異路同帰する、つまりは現代医学でも中医学でも行うようになっているのでした。




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