2018年11月17日土曜日

体質傾向から月経不順と不妊症になるメカニズム

「中医漢方・鍼灸の生理不順や不妊症になりやすい体質傾向」で、体質の話を紹介しました。今回は、その体質がナゼ月経不順や不妊症になるのかというメカニズムについてお話しします。
生理や妊娠は気はもちろんのこと、血が重要な要素になります。心は血を生み流し、肝は血を蓄え、衝脈・督脈・任脈が血の海と生殖妊娠に関係します。


①胃腸の消化吸収の機能が低下している人。
>1、食事を取るとお腹が張って重くなり、ガスが出やすく消化がうまくいかないタイプ。(実証)>2、疲れが強く、動くと息が切れてしまいそうになり、動悸が出たりめまいを起こしたりするタ>イプ。(虚証)
一番重要になるのは、①です。中医漢方・鍼灸では、脾胃と呼ばれる臓腑があります。その機能は、気や血の生成の為に食べ物を消化することです。消化が上手く行かなければ、気血の生成が出来なくなり、他の臓腑にも栄養が回らなくなります。そうなると、生理になる血も作れないため生理不順や不妊症になります。実証では、食べ物が詰まる事で消化不良状態になり気血の生成が妨げられます。虚証では、脾胃の力自体が不足して気血が作れずにいるために起こります。いわゆるヤセ過ぎで不妊にになる場合もこのケースです。


②冷えが強い人
「体は冷やさない方がいい」と、よく世間では聞かれますが、中医でもその通りだったりします。特に冷えは足元から昇っていく特徴があり、子宮を冷やして血流を悪くすることが原因となります。まるで、冬の川のように凍ってしまうのと同じです。

③熱が強い人
熱が強い人は、熱によって血が沸騰してしまい、血が少なくなってしまうために起こります。また、発汗が強いと汗は血と同じと考える(ブログ)ので、体内の血が少なくなってしまい子宮が栄養されなくなります。


④肥満傾向な人
体に痰湿という物体ができて、それが脂肪であると考える中医では、子宮に脂肪がたまり精(精子)を収められないために妊娠がしにくい原因とされています。

⑤イライラや心配が多く、考え込みやすくなるなどの気持ちが不安定な人
イライラしやすく、考え込みやすくなれば気の流れが滞り、血も流れなくなってしまいます。心配ごとが多くなったりすると、血が減りやすいとも言われています。そのため、多くの生理不順もメンタル的な要素が加わるとともに、妊娠とも関連性を持つようなります。

⑥先天の腎気が不足している人
先天の腎気とは、生まれた時に両親からもらった気であり、生殖・成長に関わります。腎気の不足も妊娠に大きく影響する部分です。


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