2018年11月15日木曜日

生理周期と漢方



月経周期の3つのステージ卵胞期排卵期黄体期
卵胞期
脳下垂体から分泌された卵胞を刺激するホルモン(FSH)により、卵胞が成長して卵胞自体が卵胞ホルモン(エストロゲン)を出します。卵胞ホルモンが、子宮を厚くします。

排卵期
卵胞が成長して子宮内膜が厚くなるころ、卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモン(LH)の分泌は最大を迎えて排卵して卵胞から卵子が出ます。

黄体期14日間
排卵後の卵胞は黄体になります。黄体からは黄体ホルモン(プロゲステロン)が出て、その刺激で子宮内膜は柔らかくなり着床しやすくなります。

着床をする妊娠
着床しない月経。子宮内膜が出血してはがれて出てきます。

漢方での対応
ステージにより処方を変えていきます。基本は、月経の状態からの処方をベースに置きます。それに加えて時期ごとに加減をしていきます。

当院では分かりやすく陰の時期陽の時期活血の時期の3ステージで分類しています。

陰の時期
生理が終了して、陰血が不足している状態に対してアプローチします。主に補血薬や滋陰薬に加えます。四物湯や温経湯、生薬ではアキョウ・カンレンソウ・ジョテイシ・サンヤク・センキュウ・トウキなどを使います。

陽の時期
排卵期付近から排卵して高温期に入るあたりから調整をしていきます。主に補陽薬・補腎薬を使います。ニクジュヨウ・ハコシ・ブシ・トチュウ・ケイヒなどを使います。残念ながら、不妊症の医療保険適用で補腎薬・補陽薬はほとんどないのが現状です。当帰芍薬散加附子は適用範囲の場合があります。体の他の症状を取り除く処方を出す必要があります。

活血の時期
生理が始まってからの数日に適応します。生理の血をすっきりとして、環境を変えるために活血剤などを使い整えます。桂枝茯苓丸や桃核承気湯、温経湯、芎帰調血飲などを使います。生薬ではトウニン・ゴシツ・ガジュツ・サンリョウ・コウカなどがあります。

ステージに合わせた治療が、より奏効します。




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