2017年7月10日月曜日

もうすぐ三伏

中国の養生「三伏」の考え

さて、中医では「冬病夏治」という言葉があり、冬の病は夏に治すと言う意味である。また、「三伏」と言う言葉がある。これは、夏至・小暑・立秋以降の「庚の日」を基準として、夏の盛んになった熱を秋に向けて抑えさせる時期である。一般的には夏至から3回目の庚の日を「初伏」。4回目を「中伏」、立秋後の最初の庚の日を「末伏」としている。
上記のように夏至・小暑・立秋の説があるが、何れにせよ夏至以降を基準と考えている。夏至は名の通り「夏の至り(極み)」であり、夏至以降は体内の陽気はお腹を暖めるため下降していく。

2017
初伏 712
中伏 722日(大暑)
末伏 811

これらの日を目処に、背中や胸にお灸などをする三伏灸や白芥子・細辛・甘遂・延胡索などを使った三伏貼などを使い、背中や胸を温めることで秋の涼やかな気が、一気に体に入らないようにする。秋口や冬に喘息や咳の出やすい人は有効である。

私見三伏

三伏は夏の盛の時期で毛穴が開き汗がでて陽気が行き渡る。その状態を高め陽気を補う事で正気(免疫力)を高めて臓腑の機能を調整すると考えられている。
いまいち納得いく様ないかないような説明である。

三伏とはこう考える。
夏至は夏の盛りの頂点であり、その気は落ち着いて涼しくなっていく。
自然界では大気圧が疎から密へと向かう。気圧は密であれば寒く、疎であれば暖かく、冷えたエアコンのついた部屋の窓を開ければ熱風が入り、暖房の効いた部屋には冷たい風が吹き込む。これは密の気圧が疎へと向かう為に発生する。気圧が等圧になろうとする為、風が起きる。
人は小宇宙であるとする整体観念を持つ中医に於いては、当然然るべきして自然の法則に従う事になる。

つまりは、秋にかけて外気が涼しくなるが、体内は十分に熱が残る。その為に冷涼な外気が体内へと流れ込むと、多くの疾患を生む事になる。三伏では、温める事で体内が急激に冷えることを緩和させる事で、病気の予防に詰めていたのではないかと考えられる。


この時期は、暑くとも秋へと向かう過渡期でもあるので、秋冬の養生をいまのうちから始めようではありませんか!

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