2017年7月10日月曜日

お灸の話1

ここで問題、この2種類の生薬は何でしょうか?

左はヤクモソウ(益母草)、右はガイヨウ(艾葉)。両方とも血に働く生薬である。
艾葉とはヨモギであり、最近ではめっきり出番が少なく和菓子屋やパン屋でヨモギ餅やヨモギパンなどの形で見かけるくらいである。艾葉が加工を経ることで、お灸で使われるモグサとなる。今回はヨモギ・モグサにまつわるお話をしよう。

ヨモギ・モグサの薬効

ヨモギは6月〜7月に採集される。『名医別録』で初見としており、中医生薬学では温経止痛、散寒調経、安胎を効用としている。訳して言えば、体を温めて冷えを取り痛みを抑えて、月経を調整し、妊娠時の胎児を安定させること。『名医別録』では「百病に灸する。煎じて下痢・吐血・陰部の出来物、婦人の不正出血、陰気を整える、肌の代謝の向上、風邪の予防、不妊」、「生は冷やし、熟せば温める。血便・鼻血・膿血痢は煎じたり、散薬にする。」とある。つまりは、血や婦人科に関する疾患では多く使われる生薬である。



科学的な効果の由来は、チネオールにある。葉の裏にある腺毛に精油成分であるチネオールがあり、そのチネオールにより温熱の効果が期待出来るとされている。

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