2017年7月10日月曜日

お灸の話2


モグサの品質

上の写真は、「棒灸」と呼ばれる種類の灸だが、その断面を見ても違いは明らか。黄金色をする上質な加工を経たものと、黒いボサボサがあり雑物が混ざる等級の低いもの。実際の点火でも前者は優しく心が落ち着く香りがあり灰が落ちにくく、後者は焼き焦げた中にモグサの焼ける匂いがあり、灰が前者と比べ散りやすい。等級により、直接肌にすえるもの間接的に使うものなど用途が変わる。

ヨモギがモグサになるまで

せんねん灸のセネファさん主催の、セルフケアサポーター講習を受けた。鍼灸師が大衆の方々にどのようにお灸と触れてもらい、セルフケアがいかに大事かを伝える教室を開催するための内容である。その一環として、実際に銀座にあるせんねん灸で行われている教室を体験することが出来た。




教室では実際に、ヨモギからモグサへの加工を体験が出来る。乾燥したヨモギをホットプレートで温め加熱加工をし、すりこぎと鉢を使い、網などで雑物を取り除きながらフワフワになるまで擦ると言う加工を辿る。
実は、専門学校時代にもモグサを作る体験型授業はあった。然し乍ら、その加工の際に雑物の粉塵被害に遭い、数日の間は咳が止まらなかった事は皆さんの想像に難く無いと思う。
その作業を知っている為に、説明をしながらすり鉢をするせんねん灸の社員の皆さんにはこうべを垂れるしかなかった。





せんねん灸さんでは、新潟にある工場で上記の加工を行なっている。なお、ホットプレートやすり鉢は使わない。スリコギ・すり鉢の代わりに、それぞれ目の細かさが異なる70センチほどの石臼が3台稼働しているとのこと。ついでに、火力乾燥・粉砕・臼仕込みという作業は、日本でしか行われていないので、日本のモグサは雑物が少なくとてもきれいに仕上がる。

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