2017年9月11日月曜日

アトピー性皮膚炎の治療

当院では西洋医学と東洋医学の統合治療も行っています。
アトピー性皮膚炎では抗アレルギー剤や外用薬など西洋薬も処方します。
今日は成人のアトピー性皮膚炎が当院で軽快した症例をご紹介します。

症例:38歳男性
幼少時からアトピー性皮膚炎、喘息の症状あり。
受診時、背中、腹部、臀部、大腿部、首周りの皮膚が赤黒く強い炎症があり、掻きむしることで発生したゴツゴツした硬い芯のある大きな湿疹が背中やお尻周りにたくさん見られました。
また、頭皮が乾燥して落屑(フケ)が大量にみられ、診察中にもかゆくてボリボリ掻いている首回りは熱っぽく乾燥し、赤みを帯びた上に白く硬い皮膚が粉を吹いている状態でした。
生活指導:薬の処方と同じくらい、生活指導が大切です。
入浴方法、皮膚のケア、食生活の改善、これらをきっちり守ることで症状の改善が見込めます。当院ではアトピー性皮膚炎の患者さんひとりひとりに丁寧な生活指導を行っています。
内服薬:漢方薬と抗アレルギー剤を処方しました。
初めはデトックス効果もあり体の熱を冷ます漢方エキス剤を処方し、ある程度落ち着いてから体質を改善する漢方エキス剤に切り替えました。
この患者さんの場合、赤ら顔で体格も大きいため力あふれる実証タイプと思われがちですが、診察してみると「脾虚」と言われるタイプでした。
非常に疲れやすい、しょっちゅう風邪をひく、下痢をしやすい、なかなか寝付けない、といった症状が目立ちました。
外用薬:ステロイド軟膏を前医から処方されており、患者さん本人がステロイドの減量を希望していなかったため調合軟膏と保湿剤を処方しました。
また、乾燥して落屑が多い頭皮と首回りを中心に尿素配合の化粧水、セラミド配合の保湿乳液を使用してもらいました(こちらは自費購入です)。

経過:頭皮と首、顔の白く厚くなった皮膚が改善し、落屑(フケ)が見られなくなりました。また、赤黒く熱っぽかった背中やお腹の皮膚も赤みが減り、掻きむしることが減ったために臀部の硬いイボ様の湿疹がなくなりました。
漢方薬による体質改善に加え、入浴方法と塗り薬の使い方をきっちり守っていただけたので症状がとてもよくなった症例です。

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