2018年12月22日土曜日

特別顧問 李向軍医師 就任


李向軍医師が当院の特別顧問に就任いたしました。兵庫でも李漢方内科・外科クリニックを開設し、不妊症・アトピー性皮ふ炎・関節リウマチ・各種難病で治療の実績を持ち、中医の漢方によるがん治療にも力を入れています。2月の日・月曜日に特別外来を行います。日程は改めて、当院ホームページにてご案内いたします。
     李 向軍 医師
役職・資格
  • 世界中医連合会呼吸器病専門委員会 副会長(中里 道新(李 向軍))
  • 日本内科学会内科認定医
略歴
◆平成8年
中国吉林省延辺大学医学部卒業 、中国吉林省吉林市立病院勤務
◆平成17年
日本国医師予備試験合格、 神戸大學医学部5年生に特別編入、実地修練
◆平成18年
日本国医師国家試験合格 、神戸大学病院研修医 神戸大学病院糖尿病内科に入局
◆平成20年
兵庫県立尼崎病院東洋医学科勤務
◆平成21年
兵庫県立尼崎病院東洋医学科、糖尿病内科勤務
◆平成22年
新須磨病院糖尿病内科外来勤務
◆平成23年
中国中日友好病院などで中医の研修
◆平成25年
西宮北口にて李漢方内科・外科クリニック開院
◆平成26年
中国上海复旦大学付属腫瘍病院中西結合科、上海中医薬大学付属龍華病院短期研修
加する学会等
  • 世界中医連合会
  • 日中医学協会
  • 日本東洋医学学会
  • 日本糖尿病学会
  • 日本内科学会

研修歴MEDICAL

国医大師(日本でいう人間国宝)に師事し、勉強しました。
国医大師熊継柏先生
熊継柏先生得意分野:がん、不妊症、婦人科疾患、各種難病など
 
国医大師晁恩祥先生
晁恩祥先生得意分野:肺がん、喘息、間質性肺炎、COPDなど
 
国医大師許潤三先生
許潤三先生得意分野:婦人科がん、不妊症、子宮筋腫、卵巣嚢腫、婦人科疾患全般

2018年12月20日木曜日

あけましておめでとうございます!!


もうすぐこんな声が聞かれる時期ですね💗何てことではありません。そのナゾは文章を読み進めていけば分かります。
急性ネタ切れ症候群を起こしていた伊藤です。ネタ切れを起こしているうちに、もうすぐ柚子やらカボチャを食べる冬至になります。

冬至の文化
ご存知の通り、冬至は一番昼が短く夜が長くなる日です。古代・周では冬至があるこの月を「子月」と呼び、1年の始まりである正月とされていました。
古代の中国皇帝たちも、冬至になると1年の天候を祈祷する儀式を行っていました。
 中国のことわざで「冬至にはギョウザを食べて、夏至には麺を食べる」とあります。漢の時代の名医で、葛根湯などの名処方が記載される書物「傷寒論」を書いた張仲景先生は、冬になると
「去寒嬌耳湯(きょかんきょうじとう)」
と呼ぶギョウザを、寒さを凌ぐ人たちの耳の凍傷を治療する薬として出しました。羊の肉と薑(ハジカミ)を使った料理です。トウガラシのようなものを使っていたとも言われていますが、トウガラシが中国に入ったのは明の時代ともされていますので、ショウガなどの薑類だと考えられます。

冬至は養生だよ
冬至は一陽を生む、つまりこれから新たに四季を迎えるためのエネルギーが生じる重要な時期です。例えて言えば、女性が妊娠をしたばかりの状態のように、大切に養生をしたい時期です。

養生するポイント
1.精神を調える。
精神的負担を減らすように意識をしましょう。ゆったりとした音楽で気分転換や、娯楽を楽しみ、人の良いところを見つけて本心から褒めてあげましょう。人は誰でも自己承認欲求がありますので、相手を気持ちよくしてあげれば、回ってあなたも気持ちよくなります。

2.規律正しい生活リズムで過ごし、過労をしない。
休みの日だから、あと1時間寝よ〜ってなっていませんか?人間にはバイオリズム(概日リズム)があります。平日同様に、習慣化された時間に起床就寝をする方が良いとされています。時間に余裕がある人は、春夏秋冬の起床就寝に合わせても良いでしょう。
また、過労は体の持つ元気を奪っていきます。忙しすぎず、自分のペースを会社の人などに黙って保ってるのも良いでしょう。過労は男性女性ともに不妊の原因にもなりかねません。

3.体をちょっと動かそう。
先程、冬至は一陽を生むと申し上げました。運動は小さい陽気を動かしますが、激しい運動をすると陽気を発散し、新たな四季を迎えるエネルギーを奪い取ってしまします。体が程よく温まり、冬の冷えで血流が滞らないくらいの運動が良いでしょう。熱い!冷たいの飲みたい!汗ダラダラ!まで行ったら、やりすぎです。

4.四季の養生の法則に則り、生活を過ごす。
これは、二十四節気のほかの内容をご覧ください。

冬至から気になる病気
中医では、脳や心臓など症状が出やすいと言われます。それは、おおよそ冷えによる原因です。
冷えて血流が悪くなれば、体の栄養が巡らなくなり心臓の痛みや筋肉においても「痛み」が出るようになります。また、一陽は下腹部にあると言われます。冷えは足元から上昇する性質があり、冷えが下腹部まで至ると、その一陽が動き上昇してしまいます。そうなると、めまい・頭痛・のぼせなどが現れ、中風といういわゆる脳卒中の症状にまで至ることもあります。

予防として以下を守ると良いでしょう。
1.冷やさない
2.怒らない
3.激しい運動はしない

冷やさない
いわゆる「首」のつく、手首足首と首はマフラーなどを使い冷やさないようにしましょう。冷えは風に乗ると首の後ろからやってきて、頭痛とかを起こしやすくなります。昔の名医たちは頭の上にお灸をして頭痛を治したりしていました。

怒らない
「怒髪天を衝く」と言いますが、怒りは気を逆上させます。先程の一陽さんが、上昇してしまう原因になります。

激しい運動はしない
これは養生のポイントで述べた通りです。

冬はこんな薬膳料理
皇帝さん家の冬と言えば「羊肉と大根の煮物」
材料
大根、羊肉(ブロックかスライス)、ショウガ、中国料理酒、塩

①大根と羊肉の量は、大根2:羊肉1くらい準備します。それぞれ角切りにしておきます。
②羊肉角切り肉を鍋に入った水にいれて、火をかけて沸騰したら5分ほどで肉を取り出します。これをやる事で、角切り肉は柔らかい歯ごたえになります。また臭みが減ります。スライスは特にここでは湯通しくらいで良いでしょう。
③鍋のお湯は捨てて、新たに鍋の湯を沸かして沸騰させます。
➃羊肉の角切り肉、ショウガ、料理酒(紹興酒にシナモン・八角・花山椒で代用可)、塩を好みの味付けの量で入れ、肉が6分くらい茹で上がったら大根を加えます。
⑤スライス肉の場合は、大根を先に入れて8分くらい煮込んだ段階で一緒に煮込みましょう。
⑥おいしく食べる。あっ!紹興酒と一緒に食べるなら、紹興酒は熱かんにして、ショウガの細切りを加えるとよいですよ。女性の生理痛にも使えます。

先日も羊鍋を食べた伊藤副院長でした。





2018年12月6日木曜日

寒暖差アレルギーのジンマシン

ここ最近は、寒暖差からくるセキやジンマシン・鼻水などの患者さんが多くみられます。
その中のジンマシンですが、この季節特有な傾向と体質によって現れます。

黄帝内経という中医のバイブル的な本には「諸痛痒瘡皆属於心」とあります。痛みやカユミ、皮膚のできものなどは、全て心に属す。とのことです。
これは、心理的な要素も含まれれば機能的なことも含まれます。「痛みの心理と病気の遷延」 でも書きましたが、痛みは心理からも影響します。イライラすればカユミも増します。それとは別に心の機能があります。心は火・血脈・神に属します。神は心理的な要素の説明は省きます。

血脈をたどり血で身体は栄養される
血を作るのは脾胃や小腸で行い、肝でストックされて、心で体中に送ることになります。
血は陰に属すことから、体の水分的な要素も担うことになります。血が少ない状態になると、乾燥もしやすくなりカユミなどの要素になります。
お風呂に入るとジンマシンが出やすい人は、血虚(血が足りない)体質の可能性があります。
お風呂などで熱が体に加わると、体表で発散したいけれども熱が溜まっているためジンマシンが現れます。また、冷えが内部に溜まっている時も出やすくなります。

寒暖差アレルギーによるジンマシンの、中医での要因
心の火
これも「神」のような心理要素も含まれますが、イライラなど興奮性の作用が起こると火が起こりやすくなります。火は外側へ拡散や上昇する性質を持ちます。

気候
この時期は、寒暖差があります。冷えは気が集まり、熱は気が拡散する法則があります。体の表面の冷えに抑えられて、熱が拡散しないことからジンマシンが現れます。またエアコンなどの風の流れもあります。風にあたると熱が発生しなおかつ乾燥させ、血が少ない人は皮膚も乾燥し風自体が皮膚の感覚を敏感にさせてカユミが起こります。

治療
薬では、体の表面や血にある熱を冷ます処方が多くなります。しかしながら、血が不足している場合は、その不足を補うようにします。状況に応じて、発汗を促す薬も加えて体表の冷えを取り除く生薬を加えます。
針きゅうでは、血の流れを調えてあげて脾胃という消化機能や気血を生成するために重要な部分を調整します。軽い鍼刺激で、すこし発汗させたり熱を抜いたりします。

ジンマシンでセルフケアは出来るの?
①気血を作るために、お腹のマッサージをしましょう。
両手をおへその上に重ねて、時計周りに36回まわしましょう。
脾胃の機能を高めます。

➁体を温めるものを取ったり、軽い運動をしたりする。
例えばショウガ茶を飲むことで、胃を温めるだけでなく、毛穴が開き発汗を促すことが出来てカユミが落ち着きやすくなります。逆に辛すぎるものは、発汗しすぎてしまいますので、摂りすぎには注意。
軽い運動での発汗も、同様の作用があります。

③ネバネバトロトロやたんぱく質、ドライフルーツをとる。
血は陰に属します。陰を補うためにヤマイモやオクラなどのネバネバトロトロを取りましょう。でも、納豆はちょっと違います。たんぱく質は特に、豚の皮などが一番ですがプルルンを取るようにします。ドライフルーツは、ブドウやナツメなどは気血を補いやすくなりますのでよいでしょう。

➃気持ち穏やかに。
呼吸法やヨガ、最近ならマインドフルネスなども良いでしょう。


それでは。


当院のホームページはこちらです。




2018年12月4日火曜日

12月7日大雪です。


降雪が強くなり始める時期で、大は「盛る」に通じているため「大雪」と言われます。
小雪と基本的には養生方法は同じくして、体を温める食べ物を摂取して体を補うのがメインです。ぜひ小雪もご覧ください。

大雪の気候と病気

大雪以降は、気温が下がっていき、風も冷たく雪も舞い散るようになります。
中医では、頭や胸・足といった場所や「首」のつく場所が冷えや風を受ける場所と言われています。頭は「諸陽之会」と呼ばれており、陽気の脈が通るので冷えには強いと言われます。しかし、気温が下がることで血管が収縮、中医では経絡が通らなくなり頭痛やめまいが起こりやすくなります。

また、胸は陽に当たる部分であり冷えを受けてると血が通いにくくなり、心臓の痛みなどが出やすくなります。そして、冷たい空気自体は気が重く下にあることから、足元から冷えが入り、上にあがっていきます。そのことで、足の冷えや、婦人科疾患の月経不順・子宮筋腫などのが起こりやすくなり、胃腸に来れば下痢や腹痛をおこすようになります。

この時期は、帽子や厚手の靴下、強いてはハラマキ、マフラーなどをつけるようにするとのがマストですよ!

そして、冷えると筋肉も硬くなるので、肩こりや腰に痛みを感じるようになります。温かいお風呂で長くは浸からないようにしたり、お灸で温めたりしたり、カイロを使うのも良いでしょう。体を軽く動かすのもおススメです。
体が冷える経絡の流れが悪くなり、寒気を伴う風邪になり易い時期でもあります。そんな風邪の時の小技を1つ。

冬風邪の小技

蘇姜茶
水っぽい鼻水、寒気、体のこわばり、汗が出ない時の風邪に使ってみましょう。
 3分クッキングのテーマを、頭の中で流しながらご覧ください。

材料:シソの葉 12g ショウガ 9g 黒糖 好みで適量
①シソの葉とショウガを600mlの水に入れ、8分ほど中火で煮出す。
➁黒糖を加えて混ぜる。
③熱いうちに飲む。発汗したら症状が軽くなります。

シャワーで大椎アンド大杼・風門
ツボを使う技です。大椎(だいつい)は頚椎7番の下にあり(首を大きく前後に振ると大きく動く一番下の頚椎)、大杼はその横、風門は大杼の下にあります。
そこを、ちょっと熱めと感じる温度のお湯でシャワーを3分ほどかけてあげると、寒気や首のこわばりが楽になります。肩こりにも使ってみてね。
それでは。