2018年9月29日土曜日

食事時間を12時間内に収めるだけで痩せて健康になれる

9月21日にニューズウィーク誌において、興味深い記事がありましたので、中医と絡めてお話をして行きましょう。
著者は、サッチン・パンダ氏 (アメリカ ソーク生物学研究所教授、カルフォルニア大学サンディエゴ校准教授)です。

これはラットによる実験で、食事の時間を8~12時間以内に収めることでダイエット効果が見られたという話です。しかも摂取カロリーは以前と変わらず、糖分や脂なども通常とっても減量するという結果に至ったというニュースです。
体内時計が食事と絶食をする時間帯により、吸収と再生のプログラムを毎日サイクルしているということがダイエットにつながるとしています。
人体にとっても、年齢を増すごとに体内時計が壊れていってしまうので、その調整が必要だと筆者は述べています。

そんな事は、中国医学はもとより東アジア文化では知られていた事。

日本や中国では、一部体力を使う僧侶などを除き1日2食の食事習慣がありました。現在では朝ごはんは7時くらい、昼は12時くらい、夜は18時くらいと頭のなかで学習をされてしまっています。
古来では、7時から9時の間の「食時(しょくじ)」と15時から17時の「晡時(ほじ)」が食事の時間帯だったと言われています。
ここから見ると、食事の時間帯の最短で6時間の空き、最長で12時間という今回のニュースとおおよそ重なります。いずれにせよ、その時間内で3食を食べる事で、胃の負担がかかりやすくなります。

もちろん、電気が無いなどの文化背景もあるでしょうが、現代の人間にも人種問わず同様のリズムが残っており、かつ人体に合理的にその習慣が組み込まれていたという事になります。
皆さんも実験ついでに、食べるダイエットをして見るのはいかがですか?




2018年9月22日土曜日

とうがらし



最近、某メーカーから激辛焼きそばが販売されました。史上最強の激辛で、体中が熱く燃え上がる一品だそうです。
ちょっと怖いので、まだ手を出していませんがストックだけでもしておこうと思います。

さて、その辛味の元となる「唐辛子」ですが、原産は中南米であり中国には西暦1500年後半から1600年くらいに伝わったそうです。
当時中国の政府は明代で、姚可成の『食物本草』で初見されました。
『食物本草』には、唐辛子はお腹を温める作用があり、嘔吐腹痛下痢の時に適度に食べると記載をされています。
辛味を食べ過ぎると、気が散じると言われますので、疲れやすい人はあまり向いていません。また熱性が強いため顔に吹き出物が出来やすい人は気をつける必要がありますね。

余談ですが先日ラーメン屋へ行き、ご主人が唐辛子を出してくれたわけですが、くれぐれも生で食べないでってレベルの辛さでした。辛いというよりも痛い!が強い初めての経験でした。初めての経験ついでに、そのまま食べようとしたときに手で唐辛子を触っていて、知らない間に鼻頭を触っていたらしく「鼻が辛い!」という経験をしたのでありました。辛いものの食べ過ぎと鼻に触るのは注意しましょう。そういえば、唐辛子はさらに局所麻酔効果もあるとされていますよ。


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2018年9月20日木曜日

カラダを動かして気を動かす!東文健康サロン

今回の東文健康サロンは「カラダを動かして気を動かす!」です。
中国医学の古典にある、経筋という理論を使いストレッチを使用という内容です。

当院でも痛みの治療には強い、伊藤中医師が担当します。今回学ぶ経筋ストレッチは、伊藤中医師が考案した東文式経筋ストレッチでオリジナルなものです。
ぜひ奮ってご参加ください。

詳細のリンクは→こちら

中秋の名月


本場中国の「中秋節」では、お月見と月餅を食べる習慣があります。日本には平安時代に伝わった文化習慣と言われています。

お月見の習慣は礼記によると秋暮夕月とあり月の神を拝むためにありました。
周代になると祭りが行われ月餅やスイカ・リンゴ・すもも・ブドウなどの季節の果物が祀られていました。
それ以降の時代、徐々に賑やかになっていったそうです。

月餅は、月の形をしたモナカのような食品です。
初めは、月の神に祀る祭事用に作られていて、年が経ちいつやら家族円満の象徴となり月を見ながら月餅を食べる習慣となりました。
中華街などでもアンコや豆、肉、なつめの入ったものなどあります。色々試してみるのも楽しいでしょう。
先日、卵の黄身が2個入ったアンコの月餅を食べましたが、流石に大きく胃がもたれました。自分の食べられる量で食べましょうね

 2018年は924日が旧暦815日にあたりますので、その日が中秋節です。
曇りが続いていますが、この日ばかりは晴れると良いですね。ついでに、月の丸さでいえば16日つまり十六夜(イザヨイ)の月が一番綺麗に見えるそうです。



2018年9月19日水曜日

秋の始まり。秋分

秋分は、南半球北半球で昼と夜が同じ長さになる時期に当たります。秋の90日のちょうど中間に当たるため秋分と呼ばれます。また、天文学的に秋の始まりを示します。

 秋分の過ごし方

陰陽の気が浮かばず沈まず平坦な時期になるため、まずは心を落ち着かせて興奮をさせないようにしましょう。
秋分から涼燥、つまりは冷たい空気により乾燥することから起こる症状が増える傾向があります。
乾燥でまずは咳が増えますが、さらに冷えが加わるので次の症状が起こります。寒気、軽い発熱、頭痛、鼻づまり、喉のいがらっぽさや乾燥して痛む、咳、痰がスッキリ出ない、口や唇の乾燥などこれらが涼燥による症状です。

また、胃の病気が多発あるいは再発しやすい時期でもあります。胃が、冷えによって刺激されて敏感になりケイレンが起こり胃酸の逆流、腹部膨満感、下痢、腹痛などの症状が出やすくなります。なるべくこの時期には、お腹を冷やさない、温かいものを食べたり、寝るときにお腹に布団をかけたりしましょう。お灸をおへそ周りにしてあげることの重要です。

そしてスポーツの秋というだけあり、天気の気温などを考えても運動するには良い季節です。激しい運動はしなくとも、ゆったりとストレッチをしましょう。

食欲の秋ではありますが、食べ過ぎは睡眠をも妨げます。さらには乾燥や冷えから考えてあっさりとして潤いがあり、温めるものを食べると良いでしょう。 ごま、くるみ、もち米、はちみつなどが滋陰潤肺養血=潤って血を補う効果があるとされています。

そのほかにも、なるべく辛いものの摂取を少なくすることで、体の乾燥を減らすと現代中医学では考えます。そして「少辛増酸」つまり辛味は少なく酸味を多く取るようしましょう。たとえば柑橘類、梨、リンゴ、ブドウなどがおススメです。年齢を召した胃の弱い人には、お粥で胃を養い生津(=水分を生じさせる)することが出来ます。栗のおこわも良いけれども、栗で作ったおかゆも良いですよ。

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2018年9月13日木曜日

雨は天の恵み


ちょうどグズついた天気続き、湿気が重くて体の調子が悪くなってしまうことが多くなっています。
そうは言っても、湿気の元である雨は古来から「天の恵み」とされています。
日本ですと龍神さまは雨を降らすみたいな事がありますね。

漢方や鍼灸を扱う中国医学の世界でも、雨は大事にされます。

医学と雨とはどんな関係性があるの?
ここでお話するのは、気象病についてではありません。中国医学ではどのように雨を考えるかというお話です。中国医学の基本は自然科学であり哲学であったりします。そのため、自然現象を非常に重要視をします。今回は、黄帝内経という書物からお話を始めていきます。

中国医学の考える自然の構成
漢方薬や鍼灸の考えとして、まず空がある「天」、大地である「地」、その間に天と地の気の運行から「人」が生じる「三才」という考えがあります。
その「天」を太陽があり高い所にあるため陽の場所と、「地」を下にあり地下水などがあることから陰の場所としていました。

雨のメカニズム
太陽が大地を照らしたり地熱により温められたりして、大地の水が蒸発するとで「雲」が発生します。その雲が雨を降らします。
気象学では、気圧などの要因が加わり雨が降る降らないが決まりますが、中国医学では単純に前述した通りです。
雨の量は、その時の気温の高さが高ければ増えていきます。

結局、中国医学での雨とは?
雨は陽気から出来た物質で、陽気を下に降ろす作用を持っています。
陽気が地面に降りると、万物を生じさせる元である水が出来ます。そしてまた、太陽により水蒸気になり上昇するという気の循環運動をすることで万物が生じて行くと考えています。人体でも循環運動をする事で健康を保てると考えます。

龍神様の話に戻りますと、龍は中国医学では「本来持つ重要な陽気(真陽)」に例えられます。もしかしたら、真陽は地中にあるとされているので、地熱により雲を生じさせるから龍によって雨がもたらされるという意味かもしれませんね。

まとめ
・熱によって出来た水蒸気が雲になり雨が降る。
・陽の位置にあることから、陽気が含まれている。
・雨は陽気を降ろし、万物を生じさせる大事な物。人体でも健康と関連性を持つ。
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2018年9月5日水曜日

白露



久しぶりに大きな台風が来て、風に煽られている西新橋の東文中醫クリニック・新橋、伊藤です。蒸し暑いながらも、徐々に夜や朝は涼しさを薄っすらと感じるようになりました。

二十四節気では、陰気が次第に多くなり、露が集まり白く見える様になることから「白露」と呼ばれる節気となります。秋の典型的な天候特徴で、空気中の水蒸気が夜になると草木について白く露になります。そして、昼間と夜の温度差が大きくなる時期です。
中国の古いことわざには、「白露には、肌を出さない格好をして、朝晩は特に服を羽織る様に」とあります。

気管支喘息の発病率が高いから予防をすべし

特に、気温の変化が激しいことから、呼吸器に問題が出ることがあります。気管支喘息は、この時期から発病率が高くなります。
気管支喘息は、初め咳が出て、胸苦しさが出たり連続してクシャミが出るようになります。治療が遅くなる咳、喘鳴、呼吸困難、起座呼吸、ひどくなればチアノーゼや窒息による死亡の原因になります。

中医では、肺・湿・乾燥・痰・夏の陽気の問題が絡み合う

中医漢方では、秋は肺の季節を表し、呼吸器や皮膚などと関係します。肺は機能として呼吸としては呼気を、体の気の流れでは体の中に気を降ろす作用があります。これを粛降(しゅくこう)と言います。夏に最高まで溜まった熱の陽気を降ろすのが肺の役目の一つです。

夏秋の間は雨が多く湿気がたまり、秋になると乾燥が起こります。この「湿気」から「乾燥」への変化する対応が上手く行かなければ、水の集まりである「痰」が生じるようになります。
肺の気を降ろす作用が上手くいかず、熱が上にこもった状態である時、痰と組み合わさると黄色く固まった痰が出る喘息が起こりやすくなります。また、熱がない場合であれば、透明なネバネバした痰が喉や気管支に詰まるような感じが起きて喘息になります。

これ以外にも、秋の花粉で苦しむ方もなども出てきます。まずは体を冷やさないようにして、急な冷えの対策をとるのが先決です。

簡単!!ショウガの卵炒めで温める

ショウガ15g 1 
ショウガを切り刻んで、卵と炒めるだけ!
味付けはお好みで。

気管支喘息や花粉症だけでなく、乾燥も起こりやすく皮膚の乾燥、便秘、口の渇きなどが出てくるようになります。そんな乾いた時期の乾いた咳に美味しい薬膳をご案内。


これだけでいいのか梨皮湯

1つ 氷砂糖1個 水300cc(適量)
梨の皮をむきます。
皮を300ccの水が入った鍋に入れ、氷砂糖と一緒に一煮立ちします。
飲みます。

梨は潤う食べ物ですが、体を冷やす食べ物でもあります。梨の皮は、冷やす力が弱まるのと皮が肺と関係することから使われています。氷砂糖も、少し冷やす作用がありますが、体の気を補ってくれる作用があります。
余った中身は、ゆっくりと食べてください。

まとめ

・白露は、露が出来ます。体内では、痰ができやすくなります。
・冷えや乾燥で痰が絡むと、気管支喘息などの症状の原因になります。
・肺の機能低下は、呼吸器や皮膚に影響します。
・まずは身体を冷やさないことと、潤すようにしましょう。

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